弁護士からのアドバイスをご覧頂けます。
突然リストラ解雇された(解雇・従業員の地位保全)
日本経済は、バブル崩壊後も、リーマン・ショック、長引くデフレーション、そしてコロナ禍と、延々と不況が続いており、その中で、「リストラ合理化」がもてはやされ、「会社の業績も厳しいのでやめてもらえないか」「明日からもう来なくてもいい」こんな一言で長年勤めた会社をクビになる(解雇される)人が後を絶ちません。
しかし、給料だけで生活しているサラリーマンにとって解雇は死活問題です。会社の都合だけで解雇が認められてはたまったものではありません。だからこそ、法律や裁判所の判例は、会社の解雇権にいろいろな制限を加えています。
例えば、業務上の負傷疾病による休業期間及びその後の30日間に行われた解雇や、育児休業をしたことを理由にする解雇などは法律によって禁止されています。また、通常の解雇であっても、労働契約法16条によって、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」とされており、安易な解雇は制限されています。さらに、会社の業績不振を理由とするいわゆる整理解雇についても厳格な要件が定められています。
弁護士が、解雇に関する相談を聞いてみると、中には必ずしも解雇の要件が備わっているとは思えないケースがあります。
ですから、解雇を言われてもあわててはいけません。解雇に疑問があれば、いかなる理由で解雇をするのか、就業規則上に根拠があるのかを書面で明らかにしてもらうとよいでしょう。そして、できるだけ早く弁護士に相談する必要があります。弁護士は解雇の理由に疑問があると判断した場合には、会社と交渉し、それでも解雇が撤回されない場合には、法的な措置をとることもあります。
ただ、訴訟ということになると、どうしても時間がかかってしまいます。このような場合は、労働審判制度を利用することも考えられます。この制度は訴訟ではありませんが、 労働審判官(裁判官)1名と専門的な知識経験を有する労働審判員2名の合議によって、原則として3回以内の期日で迅速に審理を終えることとされています。審判手続きの途中で、裁判所から和解の提案があり、これによって和解ができることも少なくありませんので、紛争の早期解決が期待できます。
解雇の場合だけでなく、配転や降格などが行われた際にも、様々な対応方法が考えられます。これについても弁護士と相談してみてください。